以前はExaminer Ninjaっていうのがあったけど、今も使える?
過去にExaminer Ninjaというwebsiteにて米国審査官の統計情報を調べられましたが、現在は残念ながら使えません。代わりに使えるのが、以下に紹介するPatentbotsのPatent Examiner Statisticsです。
Patent Examiner Statisticsの使い方
PatentbotsのPatent Examiner Statisticsは以下のURLからアクセスできます。無料で(ログイン・会員登録しなくても)、一定の範囲で審査官の統計情報を得られます。
上記URLからアクセスして、審査官の氏名を検索テキストフィールドに入力すれば、その審査官の統計情報を得ることができます。ここで、審査官の難易度の情報が得られます。
審査官の難易度?そんな重要?
USPTOの特許審査は審査官によって相当なバラツキがあります。許可率が極めて低い審査官から極めて高い審査官までいますし、また一般的には審査官インタビューをすることで許可率の低い審査官からも特許の許可を得られる確率が高まります。
そのため、OAを受けたときに、まず最初にOAに記載の審査官の氏名に基づき、まずは審査官の難易度に関する統計データを調べるのが得策です。
Patent Examiner Statisticsでは以下の統計データが得られます。
- 3-Year Grant rate:直近3年間の許可率
- Difficulty: 難易度 (Extremely Difficult ~ Extremely Easyの7段階)
- Difficulty Percentile:難易度のパーセンテージ(数値が高いほど難関)
例えば審査官の難易度が高い場合(Extremely hard, Very hardとされている場合)、最初のOAの応答で、審査官インタビューの利用を検討するのも一案です。
他方で、審査官の難易度が低い場合(Extremely easy, Very easyとされている場合)には、わざわざ審査官インタビューをする必要はありません。この点、米国弁護士によっては、どんな案件でも審査官インタビューを推奨する場合もありますが、コスト(弁護士費用、審査官インタビューのための準備の工数等)の観点からも、ケースバイケースで判断するのが賢明と思います。
Patentbotsで有料登録すると他にどんな情報が手に入るの?
有料登録は月額$39で行うことができます。有料登録すると、上述の難易度の情報に加えて、以下の統計データを得ることができます。
- Grant Rate Timeline: OAの各フェーズでの許可率
- Comparison with Art Unit: 審査官が属するArt Unit、及びUSPTO全体の平均データと対象審査官との比較
- Interview Benefit: インタビューの効用(インタビューを行った案件、行っていない案件のそれぞれの許可率)
- Recent Dispositions: 対象審査官の最近の担当案件の結果リスト
- Appeal Statistics: 対象審査官の案件の審判結果の統計データ
- Appeal History: 対象審査官の最近の審判結果の結果リスト
すなわち審査官インタビューの効果、審判の結果データを得られる等、より審査官の情報を詳細に得ることができます。審査官の難易度の情報とこれらの詳細情報とを組み合わせることで、より効果的に審査官インタビュー、審判提起等の対策を検討し得ます。
まずはフリートライアルで2週間、無料で上記の有料登録と同じモードで使うことができます。フリートライアル時にはクレジットカード情報なども登録する必要はなく、メールアドレスのみで試用できます。一度フリートライアルで試してみて、もし気に入ったら有料登録するのも一案です。
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